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スローライフVo.20/肩透かしの冬


 今年の冬は雪も少なく、気温も高い日々が続いている。
 「暖冬」と一口に言ってしまえば、それは間違いなくそうなのだが、この異常気象は冬だけが独立して起こっている現象ではない。昨夏は湖で遊ぶ時間が少なかった「冷夏」であり、一年のうちでもっとも美しい季節である秋が短く、寒い冬が早くやってきた、そのわりには雪の便りが遅れた。
 一昨年の冬は観測史上に残る記録的な大雪が降り、昨年の冬は湖がほとんど凍りつくほどに寒かった。
 このように毎年、違った表情を持つ冬に出会うと、一般に言うところの「平年並み」と云う言葉の持つ意味の重要性を失うし、「異常気象」と云う言葉も希薄になってくる。
 雪が降ると雪かきに追われ、交通機関は著しく麻痺し、日々の暮らしがたちまち不便になるので、この季節は降雪に対する警戒心が高まるが、今年の冬のように雪も少ない、気温も高い、という状態が続くと、なんだか肩透かしを食らったようで、少し物足りない気分にさえなるのだ。
 写真の大雪は、今現在のところ今シーズン唯一の時のもので、湖畔に留めてあるキャンピングカーも、愛車も、新聞受けもこのとおり。が、しばらくすると雪はすべてなくなり、厳冬期であるはずの2月に、ジョギングができるという「珍現象」まで起こっている。
 これは河口湖における9回の冬で、初めて経験することである。
 スノーシューを買い替え、車のタイヤをスタッドレスに交換し、雪かき用のスコップを新たに買い加えたが、それらが活躍したのは、たった2日間だけであった。
 今年の春は、花粉の飛散量も少ないと言われている。
 雪が少ないことも、花粉が飛ばないことも、ともにとても有難いことではあるが、どこかでこのツケを支払わなければならないのではないか? と小心者は怯えるのである。
    


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