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スローライフVo.26/馥郁たるビア・ブレッド


 今月はダッチオーヴンを使った基本的なクッキングを紹介しよう。
 西部開拓時代、ヨーロッパからアメリカに渡ったダッチオーヴンは、パンを常食とする開拓民たちの胃袋を充たす為の、貴重な調理器具としてとても重宝にされていた。
 アウトドアのフィールドでパンを作る、という一般的には非常に難しい調理法は、開拓民たちの長い旅路の中で、見事に確立されたのであった。
 ダッチオーヴン・クッキングの最大の利点は、以前にも紹介したが、以下に挙げる三つの効果だ。

1 その名の通り、オーヴン効果が得られる
2 圧力鍋のように、素材が短時間で柔らかく煮込まれる
3 無水鍋のように、少ない水分で仕上げることが可能

 で、2と3の利点を使った料理はこれまでも幾度となくこのコーナーで紹介しているが、本来のオーヴン効果を狙った料理はあまり紹介してこなかった。それはオーヴン料理が経験と技術を要し、初心者には不向きだと考えたからだ。
 家のキッチンならば簡単なオーヴン料理だが、ダッチオーヴンを使う場合、その熱源である炭の設定には最大限の注意が必要で、加えて、パンと云うのは「発酵」と云う行程が不可欠なので、そのハードルをまずは越えなければならない、と考えていたからである。
 そこで今回は「発酵」を手助けする秘密兵器としてビールを使用した。ビア・ブレッドというのは、このダッチオーヴン・クッキングに限らず、古くからパン作りに用いられている調理法だが、発酵作業が容易でないアウトドアでは、まさに強い味方。しかも黒ビールを使用することで、香ばしい風味を醸し出すことにも成功している。
 炭は、一般的なオーヴン料理であれば8対2くらいの割合(8が蓋の上の炭)が望ましいが、パン作りの場合、9対1、あるいは9,5対0,5くらいの割合でも上手く行くと思う。要するに下部からの熱は、温める程度で十分である、と云うことだ。
 さてダッチオーヴンで香ばしく焼きあげたビア・ブレッド。
 美味しくいただくには、やはり「ギネスビール」との相性が抜群。たっぷりクリームチーズを塗り、そこに芳醇な薫りのスモークサーモンを乗せれば、馥郁たる午後の幸せな風が吹きぬけるのである。

<ビア・ブレッド> レシピ

材料
・ ドライイースト 6g ・小麦粉 カップ3 ・砂糖 小さじ3 ・塩 小さじ1/2 ・缶ビール(黒) 1缶 ・フリーズドライの玉ねぎ 小さじ 1 ・バター 少々 ・クレイジーソルト 少々

作り方
@ ボールの中に小麦粉、ドライイースト、砂糖、塩、ビールを入れて、よく混ぜ合わせ、フリーズドライの玉ねぎを振りかけて全体に混ぜ込む。
A そのままボールにラップをして、常温で1時間ぐらいおいて発酵させる。(陽の当たるダッチオーヴンの中に入れて蓋をしておくと、早く発酵する。)
B 発酵したらパン生地のガスを抜いて、丸く形を整え、クッキングシートを敷いたダッチオーヴンに並べて入れる。最後に上からクレイジーソルトをふりかける。
C おき火程度の少量の炭の上にダッチオーヴンをのせ、蓋には多めに炭を乗せる。
D 約30分して表面がきつね色になり、指で押したときに生地から空気が吹くようになったら、バターを表面に塗って、出来上がり。
 


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