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2012年7月アーカイブ

永遠の恋人

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スクリーンショット 2012-07-25 13.41.08.png

 先日、娘の家で「恋人たちのパレード」という映画を一緒に鑑賞した。

 

 1930年代の大恐慌時代のアメリカ。

 獣医を目指して大学に通っていたジェイコブ(ロバート・パディンソン)は、突然、両親を交通事故によって亡くし、無一文で通りがかった列車に乗り込むが、その列車はサーカスの移動列車だった。

 サーカスの団長であるオーガスト(クリストフル・バルツ)に気に入られ、サーカスの獣医としての職を手にするが、いつの間にかオーガストの妻であるマリーナ(リーズ・ウィザースプーン)と愛しあうようになり・・・


 で、その映画の鑑賞中、娘がぽつりと呟いた。

 「私ならジェイコブを選ばない」

 「なぜ」とボク。

 「だってオーガストの方がぜったいに生活力があるもん」


 確かに娘の言うことは正論、もっともである。

 だがそれを聞いて、些かショックを感じたのも確かである。

 ボクには3人の子どもがいるが、女の子は彼女一人だ。ご多分に漏れずに幼い頃から「キラキラやひらひら」が好きで、ロマンチックな映画に涙し、幼稚園のお遊戯会では、恍惚の表情を浮かべて踊っていた。ディズニー映画のヒロインに憧れ、弟をヒーローに見立てていつも遊んでいた。

 もちろん我が娘なので、カヌーにスノボ、山登りにキャンプと、アクティブなことはなんでもこなしたが、それでも父として自分の娘は、どこか夢見がちなロマンチストとして映っていた。

 だがその娘もすでに一児の母親として頑張っている。いや「頑張っている」との表現は生易しい。看護師として病院という厳しい職場でフルタイムで働き、幼い子どもを必死で育てている。もちろん娘の旦那さんも会社員として真面目に働いているが、旅行やマイホーム資金を得るために、二人で頑張っている。

 娘は親が驚くほど倹約家で、すでに看護学校時代の奨学金もすべて自分の稼ぎで返済を終え、彼女は完全に自立している。

 そういう娘だから、先ほどの映画での呟きは、彼女の性格なら当然の感想であると思われるが、逆に父として娘に勝手な幻想を抱いている自分に、呆れ気味にショックを感じたのである。


 娘が小学5年生の頃、級友から影響を受けて〇〇という歌手を好きになった。そのことを聞いたボクは異常にその〇〇にケチをつけた記憶が残っている。それまでは映画も音楽も、すべてボクの影響下にあったからだ。

 昔から娘を可愛がってきた。そんな様子を見て周囲は「絶対に嫁に出す時に号泣するね!」と口を揃えた。ところが娘が結婚する時、ボクは喜びに包まれ、涙なんて一滴も溢れなかった。

 しかし・・・歌手の〇〇にケチをつけたり、映画の感想に動揺している。父親ってそんなものかもしれない。






続 自立した女性は美しい

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 前回のこのブログで「自立している女性は美しい」と言った。

 1000㏄クラスの大型バイクに跨り、そこに厳選した道具を積み込み、富士五湖の自然を堪能して帰って行く。

 一陣の風のような爽やかさを感じさせる動きだった。

R0018036.jpg ちょうど昨年の今頃、一人の女性がやはり富士五湖周辺でアウトドア・スポーツを楽しむ為にやってきた。彼女はアドベンチャーレースで世界を舞台に活躍する女性で、一緒に初夏の富士北麓を駆け回ろうということになった。

 この時も、彼女は我々にほとんど質問らしい質問はしなかった。

 で、バスで来るというので河口湖の駅に迎えに行った。そしたらMTBを入れた輪行バッグと大きなザックを持って笑顔で立っていた。そのザックの中を見てボクは目を丸くした。そこには様々なアウトドア・スポーツを楽しむことのできる道具とウエア一式が入っていた。

 彼女の期待(?)通りに、我々はMTBで樹海を駆け抜け、山を走り回り、山の中、森の中、我が自宅、様々な場所で飲み、食い、会話を楽しんだ。そしてまた大きなザックと自転車を担いで彼女はバスに乗って帰って行った。

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  さてここからは恋愛や結婚の話。

 最初に断っておくが、今回、紹介したバイクの女性たちやアドベンチャーレースの女性のことを言っている訳ではない。

 自立した素敵な女性が我が家にはよく集う。趣味はそれぞれで、皆が皆、男勝りということではなく、音楽や料理などの分野で活躍する人もいる。が、いずれにしても他者に依存することなく自立している。で、一般的にそういう女性は婚期や結婚生活において、些か平均とは違う。

 「平均とは違う」と言っても、なにを基準にしているのか自分でも曖昧なのだが、明らかにすべての行動にイニシアティヴを取り、きちんと責任を背負っているので、ちょっと頼りない男だと物足りないような雰囲気を持ちあわせている。しかもそれでいて皆ルックスもいい。

 昔から「人」という字体を指して、「互いに寄り添って生きる」だとか、「人と人の間にあってこそ人間」とか教えられて来た。その考えはもちろんよく理解できるが、互いに依存しあうような人間関係ってどうなんだろう?

 人として確固と自立して、その自立の上に他者を心から愛し、尊敬し合い、時として支えあう方が、当人たちにとっても素晴らしい関係を構築できるのではないか?

 「あなたが居なければ生きていけない」ではなく「一人でも生きていけるが、あなたがいればよりよい人生を切り開くことができる」と考えるほうが、はるかに素敵だと思うがどうだろう?

 

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 ちなみにボクは山などに行くときに、女性の荷物を持ってあげるような優しい行動はぜったいにしない。それはある意味で優しさかもしれないが、彼女たちを馬鹿にした行動でもあると思う。そしてそういう優しさを喜ぶ女性とは野山を一緒に駆けまわりたいと思わない。

 そういう突き放した態度だから自立した女性が周囲に集まるのか? それとも自立した女性が集まるから、自ずとそういう態度になるのか?

 鶏が先か卵が先か? それは自分でも判らない。





自立した女性は美しい

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 先日、知り合いの女性たちが1000㏄クラスの大型バイクに乗って都内からやってきた。

 その女性たちとは、ボクが「二輪キャンプ飯」というタイトルで料理連載をしていた「MotoNavi」というバイク雑誌の編集部の女性とその仲間たちで、連載中からずっとフリークライミングに行こうと約束していた。

 その連載の撮影中、西湖の北岸に位置する十二ヶ岳の中腹に見える荒々しい岩壁を指さし、「あの壁は初心者でも登れるクライミングエリアだよ!」と教えたところ、その編集の女性が「いつかは行ってみたい」と希望し、連載終了後にそれがようやく実現したのだった。

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 クライミングに関する道具類はかなりマニアックなので、一般の人々はほとんど持ちあわせていない。だから今回も彼女たちに「なにも用意するものはないよ」と伝えてあった。が、「ついでにカヌーもやろうよ!」と提案してあったので、「水に濡れてもいいカッコ」は準備するように言ってあった。

 このようにアウトドア・スポーツを一緒に楽しむ際に、こちらから準備するべきモノと、先方に準備してもらうモノのリストをメール等で照らし合わせ、不備がないようにチェックするのだが、今回はほとんど彼女たちからも質問もなかった。

 で、当日。

 我が家に着いた途端にクライミングに行き、その日は戻ってきて夕食。で、翌日は朝から足和田山に登り、頂上で朝食。そして下山後にもう一人の女性がやはり大型バイクで合流してカヌーを満喫し、その後、遅めのランチを済ませて帰って行った。

 このようにクライミング、トレッキング、カヌーと一緒に楽しんだが、彼女たちはきちんとそれらのスポーツに対応するウエアを揃え(汗をかき、水に濡れ、荒れた山道を歩き、バイクで往復するという)、それぞれに楽しんでいた。

 いくら大型バイクとは言え、積んでくるウエアや道具は限られている。ましてやスマートなイタリア製のバイクなので、積めるのはごくごく少量の荷物に厳選される。が、彼女たちは難なくそれらをこなした。

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 それを見ていた我がアシスタントが言った。

 「バイクに乗る女性ってカッコいい。そのカッコ良さは、きっと自立しているカッコ良さだと思う」

 確かにヘルメットを脱いだ瞬間に、ロングヘアがはらりと流れる女性ライダーは魅力的だ。だが彼女たちの美しさの本質は外見ではなく「自立している」ということの内面から発せられるモノだ。いくら大勢のツアーであっても、いざという時にはたった独りで対応しなければならないことがライダーには求められる。それらに対する対応能力がなければ、ライセンスとバイクだけでは一人前のライダーにはなれないのだ。

 自分自身でも一時期は大型バイクに乗っていたが、今回、改めて女性ライダーの自立に気付かされた。

 自立した女性の美しさやその魅力を、もう少し詳しく検証してみたいと思うが、それは次回に譲ろう。





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    木村東吉
    1958 年大阪生まれ。
    20代は雑誌「ポパイ」の顔としてファッションモデルとして活躍したが、その後、30 代に入りアウトドア関連の著作を多数執筆。
    現在は河口湖に拠点を置き、執筆、取材、キャンプ教室の指導、講演など、幅広く活動している。
    また各企業の広告などにも数多く出演しており、そのアドバイザーも務めている。

    詳しいプロフィールはこちら

    木村東吉公式サイト「グレートアウトドア」

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