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2014年11月アーカイブ

Run with the Sun

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 昨日から一気に気温が下がり、昨日の朝は氷点下3度。今朝は氷点下2度だった。これだけ気温が下がると、朝起きるのも嫌になるし、ましてや走ろうという気になれない。

 以前は11月末に開催される「河口湖マラソン」に出場することが、毎年の恒例行事となっていたし、一年のトレーニングの成果を、この日に照準を合わせて調整して来た。が、数年前から「河口湖マラソン」は「富士山マラソン」と名を変え、「走る者」の目線から「観光を誘致する者」の目線へと変化し、名前と共にコースも大きく変化した。新たな「富士山マラソン」にはまったく興味はなく、我々の11月末の目標は失われた。 こうなるとこの時期、まだ暗い、そして厳寒の中を走るモチベーションを維持することが難しいのだが、唯一、この景観だけは、我々を厳しくも美しく迎えてくれる。

 ベッドから凍りついた窓に顔を寄せ、夜明けの山々のシルエットが晴天を予想させる朝には、この景色に出会うために、温かいベッドを抜け出す。 

 もちろん365日、愛犬のスパーキーも待っている。ヤツにはマラソンの記録も、朝の美しい風景も無関係で、山で鹿や猪と出会えることだけが至福の喜びだ。

 人、動物、それぞれ目的は違うが、美しい自然の中を走り回ることのできる幸せは隔たりはない。それを享受しなければ、この地に暮らす意味がなくなるのだ。






Home is where the heart is

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 幼い頃から「旅」に対する憧れが強かった。

 とくにどこに行きたい、という具体的な目的もアイデアもなかったが、どこか知らない土地、知らない人々、知らない言語の国を旅したかった。

 ところがその憧れは小学校5年生の時に読んだ一冊の漫画本で一気に吹き飛んでしまう。その漫画本に、貨物船で密入国を試みようとした者が、貨物に紛れて餓死する記事が出ていたのだ。(笑

 それ以来、ずっと大人しくしていたが、二十歳の時に仕事で北海道へ行った。羽田空港の書店で一冊のエッセイを買い、機内で読んだのが故、開高健氏の「開口閉口」だ。そこには旅、食、酒、本、女、男に纏わる興味深いエッセイが溢れていた。

 その中に「飲むならオツネンマイかサロン・ド・パリ」という1章があり、その中に「部屋の壁に世界地図を貼って、その地図を眺めながら酒を飲む」という一節があった。

 これならお金がない、当時の自分にもすぐに実践できそうだった。

 北海道から戻ってさっそく大きな地図を買って、それを6畳一間のアパートの壁に貼り、開高氏を真似て、地図を見ながら酒を呑んだ。そして呑めば呑むほどに、「旅」への想いを強めていった。

 初めて行った海外はバリ島だった。

 当時のバリ島は「神々の島」として紹介され、そこで過ごした10日間は、自分にエキゾチックな気分を存分に味あわせてくれた。

 翌年、初めて渡米した。ロスでレンタカーを借りて、約2週間掛けてニューメキシコのサンタフェに行った。道中、サウスエストのあまりにも雄大な景色に圧倒されて、ひどいホームシックに掛かってしまった。

 それから幾度となく世界のアチラコチラを旅したが、どこに行っても軽度のホームシックに掛かる。が、帰国すると、すぐにまた、旅に出たくなる。

 「山を想えば人恋し。人を想えば山恋し」

 これは山登りをする男の感情を顕した言葉だが、「山」を「旅」に置き換えれば、まさに己の感情そのものである。

 では「人」はなにに置き換えるのだ? 生まれは大阪だ。二十歳で上京した時には、その大阪への望郷の思いはあったが、東京に十年、横浜に6年暮らし、今では19年も河口湖で暮らしている。物心が付く年齢を差し引けば、今では河口湖での暮らしがもっとも長い。

 では自分の故郷は河口湖なのか? いや決してそれはない。では己の故郷は?

 「Home is where?」

 たどり着いた答えが、愛する人(事柄)がいる場所である。

 つまり、愛ある場所、その瞬間こそ、そこが、その瞬間が、「我が家」である。

 「Home is where the heart is」

 そしてもうひとつの旅の真実。

 それは日常を離れて、予想外のことが発生してから、そこからが本当の旅が始まる、ということである。予想外のことがすべてがアドベンチャーで、アドベンチャーこそが、「己がどこに、なにに属しているのか?」それを知ることができる機会なのだ。

 決して国籍、肌や目の色、宗教、イデオロギー、エコノミーで、己の属する場所を知るのではない。

 「We must take adventures in order to know where we truly belong」


 さて新しいPhotoBlogを始めた。

 タイトルは「Home is where the heart is

 サブタイトルはもちろん「We must take adventures in order to know where we truly belong」

 「旅」を通じて、いや、日常の中にも「意外な発見」を通じて、その驚きをメッセージしたいと思う。












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    木村東吉
    1958 年大阪生まれ。
    20代は雑誌「ポパイ」の顔としてファッションモデルとして活躍したが、その後、30 代に入りアウトドア関連の著作を多数執筆。
    現在は河口湖に拠点を置き、執筆、取材、キャンプ教室の指導、講演など、幅広く活動している。
    また各企業の広告などにも数多く出演しており、そのアドバイザーも務めている。

    詳しいプロフィールはこちら

    木村東吉公式サイト「グレートアウトドア」

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