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2015年4月アーカイブ

花言葉は「静謐」

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 我が家のすぐ横の山道を登って行くと、約10分ほどで「東海自然歩道」へと繋がる。「東海自然歩道」は多くの登山者が歩くので、それなりに整備してあり、とても歩き易いのだが、我が家から「東海自然歩道」までの登山道は、僅か10分の距離とは言え、荒れていてとても歩き辛い。毎年、春になると転がっている岩、絡まった蔦、猪が掘り起こした溝、枯れ枝等、気がついたところは整備するのだが、毎年、雪の期間に手が付けられないほど荒れ果てる。

 毎朝のように入っていく登山道なので、(スパーキーの大好きな散歩コースでもある)この季節、荒れた登山道を歩きながら、その整備を思って溜息を付くのである。

 そんな荒れた登山道ではあるが、そこにも目を凝らすと美しい自然が息づいている。

 ご覧の写真は「一人静か(ヒトリシズカ)」。その名の由来は、源義経が好んだ「静御前(しずかごぜん)」という女性が一人で舞っている姿に見立てたことからだと言われる。

 確かに荒れた登山道にひっそりと咲く姿は、美しくも物静かな女性の清楚な姿に通じるのかもしれない。

 実はこの春に、モデル時代の友人の女性が早逝した。あまりにも美しく、あまりにも若く人生を終えてしまったのが残念でならない。遺されたご主人に依ると、病気が回復したら、河口湖に来て我々と一緒に山に登りたいと口にしていたらしい。彼女にとって山に登ることは、きっと己の病に打ち克つことの証だったに違いない。

 彼女の望みは叶うことはなかったが、どこかでこの花のように静かに、凛と立ち尽くしている気がするのだ。


 





もちろん犬は言葉を話せないけど

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 我が家には「スパーキー」という名の、来月で7歳になる雑種の大型犬がいる。甲府市内で、捨て犬の里親を探す「レスキュー犬」の活動をされているグループから貰ってきた犬だ。

 秋田犬系の雑種と、ゴールデンレトリバー系の雑種の両親から生れたスパーキーは、秋田犬の血を引く黒い顔をしているが、全身はほぼゴールデンで、茶色のフサフサした巻き毛に覆われてる。

 最初、ネットで「捨て犬情報」を見た時に、真っ黒い顔をした目付きの悪いスパーキーを見て「こいつだけは飼うのを止めようと」と、心の中で決めていたが、実際に会ってみると、6頭くらい居た兄弟姉妹犬の中でもっとも元気良く、ボクの腕に飛び込んで来る。他の仔犬を抱こうとしても、横から割り込んで来て「ねえ、ねえ、ボクを抱いて!」とせがむ。その弾けっぷりに思わず「スパーキー」と名付けて連れ帰った。

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 生後2ヶ月ですでに12㌔あったスパーキーはぐんぐんと成長して、今では35㌔にもなった。毎朝、自由に山々を駆けまわり、どこに行くのにも一緒に連れて行ったので、まったくストレスはないと思っていたが、そんなスパーキーが不治の病に罹ってしまった。

 昨年の年末、突然、まったく食事を食べなくなり、4日目に病院に連れて行ったら、採血できないほどに血液がドロドロで、診断された病名が「アジソン病」。ストレスを自分で発散できない病気で、これから一生涯、薬を飲み続けなければならない。

 思い返せば5歳ぐらいまではどこにでも連れて行ったが、一昨年からキャンプ場のオペレートをするようになって、このところ留守番させることが多かった。それに河口湖の冬は寒さが厳しく、加齢によって寒さへの対応が辛くなったかもしれない。

 病気の原因はあれこれ考えられるが、要するに、スパーキーは我々の愛情がもっと欲しかったのかもしれない。

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 もちろん犬などの動物は人間の言葉を話すことが出来ないが、スパーキーは不治の病に罹ることによってより深い愛情を欲したのだと思う。

 アジソン病の特徴の一つとして、水分をやたらと大量に摂取するが、ボウルに水が無くなると、そのボウルを足でゴロンゴロンと打ち鳴らして水を催促するし、トイレに行きたい時には、こっちの顔を凝視する。ヤツはヤツなりに、きちんと人間とコミュニケーションを取ろうとしているのだ。きっとそれに気付いてやることが出来なかったのだろう。

 薬を飲み続けて居る限り、極端にストレスを与えない限り、スパーキーは発病以前と比較して、まったく問題なく元気である。まだ7歳なのでもう少し元気に生きて欲しい。なんと言っても、ボクの「犬人生」の中でもっとも優しく、忠実で、とてもいいヤツなのだ。

 その名の通り、いつまでも元気に弾けて欲しいのである。






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    木村東吉
    1958 年大阪生まれ。
    20代は雑誌「ポパイ」の顔としてファッションモデルとして活躍したが、その後、30 代に入りアウトドア関連の著作を多数執筆。
    現在は河口湖に拠点を置き、執筆、取材、キャンプ教室の指導、講演など、幅広く活動している。
    また各企業の広告などにも数多く出演しており、そのアドバイザーも務めている。

    詳しいプロフィールはこちら

    木村東吉公式サイト「グレートアウトドア」

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