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旧い地名を遺せ

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 先日、東京の赤坂に住む友人を訪ねた際、彼の自宅近くの坂道を歩いていて、こんな標識を見つけた。



 「三分坂」
 この坂が余りにも急なため、昔は車賃が三分(現代の貨幣に置き換えて100円ほど)増したことから付けられた地名である。
 このように旧くからの地名を遺すことはとても大切なことで、その名から歴史を学ぶことができる。


 富士山の麓には「丸尾」と地名の最後に付く箇所が多く存在する。
 昔、自然災害に詳しい学者の方とお話しした時に教わったのだが、「丸尾」というのは古語の「まろぶ」が転化した言葉で、「まろぶ」というのは、「転がる」という意味だという。
 つまり地名の最後にこの名の付いた箇所は、旧くから落石の多い箇所と言われているらしい。
このような地名からは歴史、さらに災害に対する危機管理も学べる。
 ところが最近ではそのような故事に因んだ地名を無視して、安易にモダンなネーミングをする地域をよく見かける。
 一見、お洒落に感じるそのようなネーミングは、地域の歴史や故事を葬る上に、そこから我々現代人が学ぶべき事象を覆い隠してしまう。
 街を開発する行政担当者はその事に大きな責任を追わなければならないのである。

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    木村東吉
    1958 年大阪生まれ。
    20代は雑誌「ポパイ」の顔としてファッションモデルとして活躍したが、その後、30 代に入りアウトドア関連の著作を多数執筆。
    現在は河口湖に拠点を置き、執筆、取材、キャンプ教室の指導、講演など、幅広く活動している。
    また各企業の広告などにも数多く出演しており、そのアドバイザーも務めている。

    詳しいプロフィールはこちら

    木村東吉公式サイト「グレートアウトドア」

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