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己の試金山

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 最初に登ったのは7年前だった。

 北アルプスの南端に蝶ヶ岳という山があり、まずはその蝶ヶ岳に三俣というところから登る。蝶ヶ岳登頂後は北に向かって縦走して常念岳に到着。そして常念岳から下山して、元の三俣に戻る。ちょうど地図上では三角形を描くようなルートで、昭文社の山地図によると所要時間は22時間。だがこの山地図は小屋泊まり程度の荷物を背負っているとの前提の所要時間であり、我々が軽い荷物を背負って山を歩いて(あるいは走って)いる時には、いつも約半分の時間で十分だ。

 だから最初に登った時も10時間あれば行って帰ってこられると判断した。で、その判断通りに朝の6時に三俣に取り付き、同じ場所に下山したのが10時間後の午後4時。が、かなりハードな山行となった。

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 で、二回目は一昨年。あれこれ調べると最初に蝶ヶ岳に登るより、逆周り(地図上で反時計方向)に登った方が精神的にも楽だと聞き、二回目はその通りにした。だが結果的には所要時間は同じだった。

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 と言うことで、このルートは自分自身にとっては持久力の大凡の目安となっている。もちろんフルマラソンのタイムも体力の目安となる。しかしマラソンは日程が決まっているし、そのタイミングに合わせて体調を持って行くのが難しいし、多くの人々の間を縫って走るのも大変だ。が、このルートは思い立った時にいつでも行けるし、自分のペースを完全にキープできる。しかも天候さえ良ければ、こんなに素晴らしい景色に出会える。さらには4時間足らずで終わってしまうフルマラソンと比較して、10時間前後を移動し続けるのでより持久的な体力が求められる。

 先日、このルートを三度、登ろうとしたが、仕事、天候、その他、諸々の事情によって断念した。天候と言うのは、ご覧のように驚くほど晴れていたが、頂上付近や稜線は恐ろしいほどの強風で、歩いていても飛ばされそうになるほど。結局は 蝶ヶ岳、三俣のピストンだけにした。

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 まあそれでも北アルプスの風景を見ながら山を歩くのは気持ちいい。この日も雲は激しく流れていたが、孤高の槍ヶ岳の姿も拝むことができた。

 来年の秋に、3回目のチャレンジを今から狙っているのだ。

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    木村東吉
    1958 年大阪生まれ。
    20代は雑誌「ポパイ」の顔としてファッションモデルとして活躍したが、その後、30 代に入りアウトドア関連の著作を多数執筆。
    現在は河口湖に拠点を置き、執筆、取材、キャンプ教室の指導、講演など、幅広く活動している。
    また各企業の広告などにも数多く出演しており、そのアドバイザーも務めている。

    詳しいプロフィールはこちら

    木村東吉公式サイト「グレートアウトドア」

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