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2014年3月22日アーカイブ

遙かなる赤銅渓谷1

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 2月21日から3月15日まで、メキシコ、アメリカと二つの旅をした。

 メキシコはチワワ市近く、コッパーキャニオンで開催されたウルトラマラソンに参加する為に、アメリカはレースの後、アリゾナ州の各所を見て廻るための旅だった。

 大量の写真やビデオを撮影し、それをTwitterなどのSNSなどで紹介したが、それらSNSはリアルタイムで臨場感のある報告が可能な反面、すべてが垂れ流しで、その後の夥しい量の情報の山に埋もれてしまう。

 写真を少しづつ整理しながら、自分自身の為の備忘録として、今日から今回の旅を振り返って行きたいと思う。

 

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 今回の旅はテキサス州の南端、メキシコとの国境沿いの街であるエルパソから始まった。

 エルパソ...幼い頃から何度も耳にした名前。ロスアンジェルスやニューヨーク、それにサンフランシスコなどの大都市の名前は、日本人の誰もが知っていると思う。それ以外ではシカゴ、マイアミ、ぎりぎりでデンバーなどか。

 エルパソは今、挙げた街の名前とは規模に於いてもまったく違う街なのだが、その名前には妙に馴染みがある。

 何故か? おそらく西部劇映画の影響だと思われる。それと、もしかしてテキサスはステーキで有名なので、エルパソという名のステーキハウスかなにかが在ったのかもしれない。いずれにしても西部の街のイメージであるが、実際に空港に降り立ってみると、意外なことにそこはアーミーの街であった。エルパソにはアメリカ陸軍の大きな施設があり、空港などでは多くの兵士を見かける。


        右がディエゴ。元ニューメキシコの警察官だ。

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 エルパソの意味は「通り道」。元々は「エルパソ・デル・ノルテ」と呼ばれ、スペイン語で「北に続く通り道」という意味だったらしい。つまり完全にメキシコ側から見た呼称で、実質的に1848年まではメキシコの領土であった。今でもメキシコの移民が多く、街ではスペイン語と英語が半々の割合で使われている。

 エルパソ空港近くの「モーテル6」が今回の旅の集合場所だ。

 ボクはアシスタントのカホ、それと友人のユカと3人で21日の夜に、エルパソに入った。

 翌朝、エルパソの街を軽く10キロほど走り、モーテルに帰ってシャワーを浴びる。で、シャワーの後、前日、テイクアウトした夜食の残りモノである、ナマズのフライの朝食を済ませて部屋から出ると、大柄な男がクルマから出てきて「オハヨウゴザイマス!」と笑顔で声を掛けて来た。それからさらに「HIroki's friends?」と訊ねて来た。

 コッパーキャニオンで開催されるレースとは、「CCUM(コッパー・キャニオン・ウルトラ・マラソン)50マイル」で、今年で12回目を迎える。2009年に日本人として初めて参加して、いきなり優勝してしまったプロのトレイルランナー石川弘樹は「エル・ドランゴン」と呼ばれ、レースが開催させるウリケの村ではヒーローである。

 今回のレースではその石川弘樹が、レースでペーサーを引き受けてくれた。

 つまりボクが無事に80キロの距離を走ることができるように、一緒に走ってサポートをしてくれる、という訳である。

 「HIroki's friends?」と声を掛けて来た大男は、「石川弘樹の友だちか?」と訊ねて来た訳である。

 そうだ、と答えると「ディエゴだ!」と握手を求めて来た。そして「弘樹は今日の夕方の便でエルパソ到着だな。それまでにどこか行きたいところがあれば、クルマで乗せて行ってあげるよ」と言ってくれた。どうやらこのディエゴは、今回の旅のドライバー兼ガイドのようである。

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 その日の夕方、予定通り、弘樹が合流。さらにコロラドからやって来たジムと二重人格(申し訳ないが名前を忘れてしまった。二重人格と呼ぶ理由は後述する)が加わり、その日の夜は7人で夕食を共にした。

 翌朝、我々の宿舎である「モーテル6」に3人の男女がやって来た。イタリア系オーストラリア人の夫婦、ルカとリディア、それにオーストラリア人のテレンス。ディエゴを含む合計10人のメンバーが、どうやら今回の旅の仲間のようである。


 左側、日本を代表するトレイルランナー石川弘樹。「エル・ドランゴン」はヒーローである。

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    木村東吉
    1958 年大阪生まれ。
    20代は雑誌「ポパイ」の顔としてファッションモデルとして活躍したが、その後、30 代に入りアウトドア関連の著作を多数執筆。
    現在は河口湖に拠点を置き、執筆、取材、キャンプ教室の指導、講演など、幅広く活動している。
    また各企業の広告などにも数多く出演しており、そのアドバイザーも務めている。

    詳しいプロフィールはこちら

    木村東吉公式サイト「グレートアウトドア」

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