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非情なる人間界

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 先日のブログで、四季が繰り返す気象条件が、我々にとっては、決して情け容赦のないものではない、というような内容を書いた。
 一年でもっとも陽の短い冬至の時期はそれほど寒くなく、雪が降り、すべてが凍てつく厳冬期には、少しは陽が伸びる。この時間差が「情けや容赦」を感じさせるのだと。
R0014989.JPG
 ご覧の写真は鹿の死骸だ。
 撮影したのは近所の小さな堰で、なぜ、こんなところで鹿が死んでいるのか? ちょっと理解に苦しむ場所ではある。
 最初、妻が発見した時にはもっと肉が付いていたというが、写真を撮影した時にはすでに頭部と毛皮だけしか残っていなかった。時々、朝早く登山道に入って行くと、明らかに鳥が襲われたらしき残骸に出くわすが、このように、毎晩のように暗い森の中で動物達の死闘が繰り広げられているのである。
 そしていつもこのような死骸を見て思い出すのは、映画「ダンス・ウイズ・ウルヴス」のワンシーンだ。
  ネイティブ・アメリカンの人々が貴重な食料として大切にしているバッファロー。ところが大勢の白人たちがやってきて、バッファロウを大量虐殺してその毛皮だけを剥いでしまう。大平原の残された、皮を剥がれたバッファロウの累々たる無残な死骸・・・
 この鹿のように動物達は食べることのできる肉を真っ先に貪り、皮や頭部は最後まで残っている。鳥たちの死骸も同様に、綺麗な羽根のみが残されている。
 動物間の殺戮は、自分自身が生き残る為の行為で、人間のみが、それ以外の目的で他の動物の生命を奪う。
 実は「情け容赦のない」のは、自然界ではなく、人間界だけなのかもしれない。
 

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    木村東吉
    1958 年大阪生まれ。
    20代は雑誌「ポパイ」の顔としてファッションモデルとして活躍したが、その後、30 代に入りアウトドア関連の著作を多数執筆。
    現在は河口湖に拠点を置き、執筆、取材、キャンプ教室の指導、講演など、幅広く活動している。
    また各企業の広告などにも数多く出演しており、そのアドバイザーも務めている。

    詳しいプロフィールはこちら

    木村東吉公式サイト「グレートアウトドア」

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