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心豊かな南の島

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 以前は毎年のようにサイパンに潜りに行っていた。が、昨年の2月、ロタ島に行ったついでにサイパンにも立ち寄ったが、のんびりと滞在するのは8年ぶりのことである。
IMGP3180.JPG 久しぶりにゆっくりと滞在して、改めて感じたのは野良犬の多さ。もちろんリゾートホテル周辺や観光地では、その数は少ないものの、我々が滞在したホテルは民家と隣接する場所だったので、その多さが目についた。で、その野良犬の多くは何度も妊娠、出産したと思われ、お腹のあたりにくたびれた乳房がいくつもぶら下がっている。我々が幼い頃は、日本でもこのような野良犬がうろついていたモノだが、そうやって見てみると、ホテル周辺に建つ地元の人々が暮らす民家も、やはり我々の幼かった頃のそれと似ている。
 つまりサイパンの一般の人々の暮らしぶりは、45年ほど前(昭和40年前後)の日本に近く、決して経済的には豊かではない。しかしビーチロードは綺麗に整備され、ガラパンとススペの街を結ぶ6キロほどの道をジョギングしていると、遙かに我が地元である河口湖より歩道の整備が行き届いていると感じる。それに地元の人々の運転は歩行者にとても優しく、道路を横切ろうとすると、必ずと言っていいほど停車してくれるし、走っている傍を通過する車は徐行しながら大きくよけてくれる。
 つまり人々の心が豊かなのである。
 日本人、中国人、韓国人、フィリピン人、チャモロ人、カロリアン人、白人と、多くの民族が暮らし、観光地として成り立っているので、小さな犯罪は多いと聞くが、滞在していて治安の悪さは感じない。
 一時期、大々的に日航がホテルやショッピングモールを展開したが、数年前には撤退して、そのショッピングモールは今では廃墟と化している。
 この島には巨大な観光産業は似合わない。
 美しい海と、心豊かな人々、それに多民族が融合する食文化。それにほんの少し、アメリカの田舎を感じさせるスーパーマケットさえあれば、ボクにとってサイパンは十分なのである。
IMGP3189.JPG
 

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    木村東吉
    1958 年大阪生まれ。
    20代は雑誌「ポパイ」の顔としてファッションモデルとして活躍したが、その後、30 代に入りアウトドア関連の著作を多数執筆。
    現在は河口湖に拠点を置き、執筆、取材、キャンプ教室の指導、講演など、幅広く活動している。
    また各企業の広告などにも数多く出演しており、そのアドバイザーも務めている。

    詳しいプロフィールはこちら

    木村東吉公式サイト「グレートアウトドア」

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